【記事概要】
小学校に比べて中学校は環境が大きく変わります。発達の特性による苦手がある発達障害グレーゾーンのお子さんにとって『中1の壁』は避けては通れません。中学校入学に向けて、春休みにやっておきたいことをお伝えします!
1.発達障害グレーゾーンの「中1の壁」
中学校入学を4月に控え、いよいよ中学生になるお子さんに「うちの子大丈夫かしら?」と不安を抱えていらっしゃる方もいると思います。
わが子には、たくさん友達を作って、部活や勉強に精を出して、楽しい中学校生活を送って欲しいと、親であれば誰でもそう願いますよね。
しかし、中学校に入学すると、環境の変化に戸惑うお子さんが出てきます。
高校進学に向けて「内申点」が必要になってきます。
そのため、中学校に入学すると一気に「評価社会」に突入します。
学力も、部活動も、生活態度も、すべて「評価」されます。
小学校までは何か苦手があっても、存在を認めてもらえていた発達障害グレーゾーンのお子さんが、中学に入ってみんなと同じことができないことで今まで以上に指摘されたり、注意されたりすることが増えていくのです。
不登校の人数は、小学6年生と中学1年生を比較するとなんと2.5倍へと一気に跳ね上がります。
発達の特性による苦手がある発達障害グレーゾーンのお子さんたちが、中学という新しい環境でストレスを感じるリスクは高いのです。
お母さんが思っている以上に、中学は発達障害グレーゾーンのお子さんたちが自信を失いやすい環境なのです。
では中学入学を控えた春休みに、「中1の壁」を乗り越えるためにできることはあるのでしょうか?
2.「脳のパイプづくり」春休み前の今からスタートしよう!
中学進学前にやっておいて頂きたいこと、それは「聞く」→「動く」という脳のパイプを作っておくこと。
お母さんからすると
「もう中学生になるのだから言われなくてもやってほしい!」
「自分で考えて動いてほしい!」
と思うことがあると思います。
ですが、発達障害グレーゾーンのお子さんに中学入学前に準備していてほしいことは、その一段階前なんです。
お母さんが指示を出したら、お子さんがそれを聞いて動く「聞く」→「動く」の脳のパイプをしっかり作ってあげて、それを習慣化することなのです。
中学校に入学して、教師や部活の先輩や同級生の友達の話を聞いて、動く、まずはこれができることが集団生活の中で重要です!
中学校入学のタイミングだけでなく、その先の高校、大学、社会人など環境が変わるたびに多くの人と関わるようになります。
そうなると、将来的にも役に立つ力となっていきます。
3.中学校入学前の春休みに準備すること
「聞く」→「動く」の脳のパイプをつくるには必要なものがあります。
それは「素直さ」です。
お子さんに声をかけた時に、無反応だったり、「うるせー!」「うざっ!」なんて反抗的な返事が返ってきたりしていませんか?
もし、お子さんの反応にそんな様子があるのであれば「素直さ」を復活させる必要があります。
この春休みは、発達障害グレーゾーンのお子さんへの要求レベルを上げすぎずに当たり前のことや、やろうとしたことを肯定する。
これを心がけてください。
中学校入学前はどうしても気持ちが焦るので、お子さんの苦手を克服させようとしてしまいがちです。
ですが、今できていることにフォーカスして、肯定してあげて、お子さんの自己肯定感を育ててください。
少しくらいできていないことはスルーして、OK!
お子さんが明るく前向きに過ごせる居心地の良い環境を作っていきましょう。
自己肯定感が上がってきて初めて「素直さ」が復活します。
「素直」であるということは、脳が発達し、バランスよく働いている証でもあります。
脳のコンディションが整わないと、何をやらせようとしても、「指令」が脳に届きません。
つまり「言っても、言ってもやらない」状態が続くわけです。
子どもの成長を促すには、脳を発達させる順番が大切です。
慌てずあせらず、今やることに注力して、中学校入学前の春休みに対応していきましょう。
子育てに悩まれているお母さんの心の支えになれれば幸いです。
執筆者:中木村 美紀
(発達科学コミュニケーショントレーナー)