【記事概要】
何度言っても、宿題をしないで後回しにしてしまうお子さんにお困りではありませんか?発達凸凹のお子さんが何度同じことを言っても行動しないのには理由があります。実はこの状況、発達凸凹のお子さんがお母さんのサポートをとても必要としているSOSなのです。
1.発達凸凹キッズが宿題をしないで後回しにする理由
何度声かけしても宿題をはじめないお子さんにお困りではありませんか?
発達凸凹キッズが宿題を後回しにする理由は、
・今やっていることが楽しくてやめられない
・そもそも宿題をやることが嫌で始められない
大きく分けて、この2つが原因です。
今やっていることが楽しくてやめられないというのは
・楽しいゲームを続けたくてやめられない
・タブレットで動画を見ていて、なかなか宿題に取り掛かれない
といったように、今やっている楽しいことをやめて、次の行動に移るのが難しい場合です。
一方で、そもそも宿題をやることが嫌で始められないというのは、発達凸凹キッズが宿題を面倒臭いと思っている場合です。
面倒臭いと思っている理由は多くの場合
・一人ではできない(理解できていなくて難しい)
・出来なかったら怒られそう
・時間がかかりそう、終わる気がしない
こんな思いが発達凸凹キッズにあることが原因です。
それは、分からなくて時間がかかって、すごく疲れたという体験や、やったのに何回もやり直しをしないといけなかったという悔しい経験が積み重なっている場合が多くあります。
越えなければならない壁がたくさんあると、はじめる前から面倒臭いと感じてしまいますよね。
このように、発達凸凹キッズが動かない時には、動かない理由があるのです。
2.宿題をやらない発達凸凹キッズにやってはいけないNG行動
宿題をやらない発達凸凹キッズにやってはいけないNG行動は以下の3つです。
・ガミガミ怒る
・子どもの感情をあおる言葉
・癇癪や宿題を泣きながらやる状態を放置すること
どれも、ついやってしまいがちな対応ですよね。
何度言っても宿題にとりかからないと、親としては途方に暮れてしまったり、強く叱りつけてしまったりすることも少なくないと思います。
ですが、このような声かけをしているお母さんは要注意です。
ガミガミ怒られたり、感情をあおる言葉をかけられたり、泣きながら宿題をやる状況を放置された発達凸凹キッズは、何をしても無駄なのだと考える様になってしまいます。
やろう!と取り掛かってみても
・段取りが悪い
・計画が立てられない
・時間配分ができない
このように、やろうと行動したのに「できない」「できなかった」という失敗を繰り返し、最後までやり切ることができないという経験を何度もしているからです。
なので、目の前にある好きなこと、楽しいことに飛びついてしまって、やることを後回しにしてしまうことが日常の習慣になってしまうのです。
では、どのように対応すればよいのか次項でお伝えしますね。
3.発達凸凹キッズの切り替え力を伸ばすスゴ技
やることを後回しにしてしまうことが日常の習慣になってしまっている発達凸凹キッズは、お母さんのサポートを必要としている状況です。
なので、ただ叱るだけの対応では、発達凸凹キッズは行動できるようにはなりません。
子どもの切り替え力を育てるお母さんの対応法は、まずお母さんがブレーキとなっている子どもの心の部分を受け止めて、ブレーキを外す手伝いをして、子どもが自分で次の行動に移るのを待つことです。
「今、楽しいところなんだね。」とか「今は、やりたくない気持ちなんだね。」と、子どもの気持ちを代弁し、「ここまでやったら終わりにできる?」とか「お母さんと一緒ならできるかな?」などのように、子どもの気持ちを尊重してあげて、肯定の会話からスタートします。
そして、子どもが次の行動に移ろうとしたその瞬間を見逃さず「あ、宿題を出せたね。」「鉛筆出せたね」と、子どもがやっていることをそのまま口に出してあげます。
さらに「自分で切り替えられたね」と、しっかり褒めてあげましょう。
「次からは早くね!」なんて一言はグッと抑えて、「自分で出来た!」という成功体験で終わらせます。
そうすることで、自分で切り替えることが成功なんだ!と徐々に理解していき、だんだんと自分で考えて動くことができるようになっていきます。
「自分でできた!」という成功体験は、脳を発達させるために必須なのです。
子育てに悩まれているお母さんの心の支えになれれば幸いです。
執筆者:中木村 美紀
(発達科学コミュニケーショントレーナー)