発達障害グレーゾーンの「兄弟喧嘩」を減らす!イライラしない ママの対処法!

【記事概要】

 

発達障害グレーゾーンのお子さんがいる兄弟喧嘩の場合、見守るだけでは解決しません。兄弟喧嘩を減らすためには、発達の特性に合った対処法が必要なのです。日常化した負のスパイラルから抜け出すイライラしないママの対処法についてお伝えします。

 

1.しょっちゅう兄弟喧嘩をするのは「発達障害グレーゾーンの特性」が原因だった

・兄弟喧嘩が多く、仲裁することが大変

・兄弟への暴言暴力がひどい

など、発達障害グレーゾーンのお子さんの兄弟喧嘩に、いつも頭を悩まされている方も多いと思います。

ふたり以上お子さんがいらっしゃるご家庭であれば、子ども同士の兄弟喧嘩は珍しいことではありません。

ですが、発達障害グレーゾーンのお子さんに攻撃性の特性が見られるとき、多くの場合、どちらかといえば加害者で、他の兄弟に攻撃的になる傾向があります。

もし発達障害グレーゾーンのお子さんが、学校では攻撃性など全くみられないという場合、「学校でがんばっている反動」が、家で攻撃的になってしまう原因かも知れません。

そして、ストレスのはけ口として、一番ターゲットになりやすいのが「兄弟(特に弟・妹)」なのです。

 

 

2.日常化した負のスパイラル

わが家には、ADHD(注意欠如・多動症)とASD(自閉スペクトラム症)の特性を併せ持った、発達障害グレーゾーン の中学2年生の息子がいます。

息子は中学進学後「中一の壁」にぶち当たってしまいました。

小学校のころにくらべて、学校で叱られたり、注意されたりする機会が増え、学校に行くだけで緊張し、ストレスを感じてしまうようになりました。

そのことが原因で、家では自分の「思うようにならないこと」「気に入らないこと」があると

弟に暴言や暴力で

ストレスを発散させて

抱えていた気持ちをスッキリさせる

という、負のスパイラルが、いつの間にか日常化していました。

 

 

3.もうイライラしない!これで解決!兄弟喧嘩の対処法!

定型発達のお子さんたちの兄弟喧嘩であれば、見守ってあげることで、子どもたちは「自分たちで解決しなければならない」ことを覚えます。

ですが、発達障害グレーゾーンのお子さんがいる兄弟喧嘩の場合は、見守るだけでは解決しません。

わが家の事例をもとに、兄弟喧嘩の対処法をお伝えしたいと思います。

◆注目せずに、見て見ぬふり

兄弟のどちらかが、一方的に攻撃をしている場合、親としては仲裁に入って

「どうして、そんなことするの!」

「そんなことしたら、だめでしょ!」

と大きな声で叱りたくなりますよね。

ですが、まずは兄弟を引き離します。

その後は、好ましくない行動をとっているお子さんの行動にはいっさい注目せず、見て見ぬふりをします。

叱ったり、注意をしたりもしません。

お子さんが「好ましくない行動をやめたとき」「気持ちを切り替えられたとき」に、肯定して褒めます。

えっ、この流れでどこを肯定して褒めるの?

という、そんな声が聞こえてきそうですね。

たとえば「気持ちを切り替えられたね」「物を投げることをやめられたね」と伝えることだけでも立派な肯定なのです。

◆いつも我慢している兄弟の心のケア

いつも我慢させてしまっているお子さんには、喧嘩の原因となっている発達障害グレーゾーンのお子さんがいないところで、肯定します。

「あんな事をされて、嫌だったよね。」

「辛い気持ちになったよね。」

「我慢してくれてありがとう。」

「代りのものを買ってくるね。」

など、お子さんの気持ちに沿った肯定の声かけ をして「あなたのことを気にかけているよ」というメッセージを伝えます。

また、スキンシップを嫌がらない年齢であれば、頭をなでるなど、スキンシップをしながら、伝えることも効果的です。

「自分も大切にされている」「愛されている」と実感させる接し方が大切なのです。

◆兄弟が仲良くしているときが最大のチャンス

兄弟喧嘩が多くても、子どもたちは、24時間ずっと喧嘩しているわけではありませんよね。

子どもたちを観察していると、たとえ短い時間だったとしても、一緒に並んでテレビを見ていたり、遊んでいたりする時間はありませんか?

その時が、最大のチャンスなのです!!

そのチャンスを見つけたら見逃さないで、すぐに肯定して褒めます。

毎日、毎日、何度も、何度も、チャンスを見つけたら肯定して褒めます。

褒める時のポイントは、「ワントーン声を上げて」「笑顔」で声かけすることです。

「いっしょに仲良く遊んでいるね!」

「楽しそうだね~!兄弟そろって何しているの?」

「仲良くしてくれていると、ママも嬉しいな!」

と「兄弟全員」マルっと「肯定」します。

肯定することをママが繰り返し続けていくことで、子どもたちは「兄弟仲良くしていると褒められる」ということを学習していきます。

すると、仲良く遊ぶ時間が増えていき、喧嘩をする時間が減っていくのです。

わが家は、「兄弟全員」マルっと「肯定」する方法で、ずいぶんと兄弟喧嘩が減りました。

皆さんもぜひ、試してみてくださいね。

 

 

子育てに悩まれているお母さんの心の支えになれれば幸いです。

 

執筆者:中木村 美紀
(発達科学コミュニケーショントレーナー)