【記事概要】
勉強が苦手な学習障害の子どもも〇〇を使えば「この方法ならできるよ!」と自己流の学び方を手に入れられます!読み書きに対する負担感を減らし、従来の読んだり書いたりする学習法にこだわらない未来型学習支援法をお伝えします。
目次
1.読み書きを繰り返し練習してもできないのには理由があった
我が子が、読み書きがスムーズにできないとき「努力が足りないからだ」「もっとがんばればできるはず」と考えて
・ほかの子の何倍も時間をかけて、繰り返し、読んだり書いたり練習をさせる
・だけど、できないから、子どもが嫌がってやりたがらない
・やりたくない子どもに、お母さんがイライラする
このような負のループを繰り返した経験がある方も多いのではないでしょうか。
我が家の中学2年生になる息子は、読み書きが苦手です。
ゆっくりと時間をかければ、文字を書くことも出来ますが同級生と比べると時間がかかってしまいます。
息子の書くスピードは、小学4年生の平均よりも少し遅いくらいのスピードです。
そんな息子が苦労していたのは、定期考査の間違い直し課題です。
定期考査の間違い直し課題は、「問題文の写し」「解答」「解答の解説」など書く作業がとても多く提出期限までに9教科全て手書きでやり直すことは、とても大変でした。
夜中の2時、3時までがんばっても終わらせることが出来ず、サポートする私の体力も限界でした。
どんなに読み書きを練習しても上達できないのは、発達の特性が影響しているからなのです。
ですが、読み書きが苦手なお子さんも、まったく読み書きができないわけではありません。
発達の特性から、読み書きという一連の作業のなかで、どこかに苦手なことがあり、みんなと同じ方法では学びにくいというだけなのです。
2.「読めるように」する、「書けるように」するという支援は時代遅れ
子どもへの支援についての考え方は大きく2つあります。
・「できないことを、できるようにする」
・「できないことは、他の方法や手段でできるようにする」
という考え方です。
小学校低学年の頃までは、「読む練習」をしたり「書く練習」をしたりする「できないことを、できるようにする」という支援方法もあります。
ところが、思春期のお子さんに、ひらがなの練習や漢字の練習をやらせても、学習意欲はわきません。
発達の特性に合わない「繰り返し読んだり書いたりする学習法」では、いくら練習しても結果が出ないのです。
読み書きが苦手な思春期の子どもたちには、「できないことを、できるようにする」という支援方法は有効でないことが多いのです。
むしろ、読み書きの練習ばかりするのは、逆効果だといえます。
なぜなら、努力に見合った成果が得られないことから、疲労感と無力感だけが増えて、「努力をしてもうまくいかない」という学習をしてしまい、お子さんの勉強する気をなくすだけだからです。
効果がでず、自信をなくすだけでは、やっても意味がないという気持ちに誰だってなりますよね。
そして、できないところを繰り返し練習した結果、勉強することを嫌うことにつながり、文字の読み書きの困難に加えて、覚えたり考えたりすることを嫌がるようになるのです。
読み書きが苦手なお子さんは「練習してもできない」だから、困っているのです。
それなら、繰り返し練習を続けるだけの従来の学習法はやめて、お子さんの努力が報われるような、発達の特性に合った学習法に変え、お子さんに合った学び方ができる支援方法にチェンジすればいいのです。
3.読み書きが苦手な学習障害の子が自ら学ぶようになる未来型学習法!
2019年に文部科学省が、「GIGAスクール構想」という構想を打ち出して4年がたとうとしています。
全国のすべての小中学校と特別支援学校に児童生徒が使用する端末を一人一台整備するという構想です。
そして、プライベートでも子どもが自分のスマートフォンやタブレット端末を持つことが珍しくない時代にもなりました。
そのため、子ども達の学習手段はタブレット端末を中心とした学びへとどんどん変化していっているのです。
筆記用具が、ノート、えんぴつ、消しゴムからタブレット端末になることで、子どもの学び方は大きく変わります。
教科書はデジタル教科書があたりまえとなるでしょう。
大学入試は、コンピュータで行われる計画がすでに進められています。
ご存じでしたか?
入試もコンピュータで行う、そんな時代が目の前にやってきています。
従来の学習法にこだわらず、義務教育のうちからデジタル環境に慣れ、タブレット端末を「読みの補助・書きの補助」に活用する新たなスキルを先取りし、習得すればいいのです。
そこで、私は学校に合理的配慮をお願いして、息子がタブレット端末を使用することを許可してもらうことにしました。
実際にタブレット端末を使って課題提出に取り組むようになってからの息子の変化を次にお話します!
4.社会人になってからも使える新たなスキルを先取り!
書くという作業から解放された 息子は、「問題文の写し」はタブレット端末のカメラ機能を使い問題文を撮影し、問題ごとに加工、貼り付け。「解答」と「解答の解説」はタブレット端末の音声入力機能を使い、音声を文字に変換して、どんどん課題をこなしました。
そして、これまでのように夜中まで課題に取り組む必要もなくなり、提出期限までに課題提出ができるようになりました。
私も夜中まで息子のサポートに付き合わずに済むようになり、自分の時間を持てるようになりました。
書くことが苦手なら、タブレット端末の「ワープロ機能」や「音声入力」を使って文字にすればいい!
読むのが苦手で、耳から聞いた方が頭に入る子はタブレット端末の「読み上げ機能」を使って音声で読んでもらって理解すればいい!
読むことや書くことは、勉強の本来の目的ではありません。
勉強の本来の目的は、「覚えること」「考えること」「表現すること」です。
苦手な部分を楽にできるようにするために、苦手を補うスキルを育て、その子にあった学び方ができるよう、支援していきましょう。
そうすれば、その子にとって学びやすい方法で読み書きのスキルを伸ばしていきます。
そして、自分なりの学び方を身につけると、「このやり方なら読み書きができる」という実感が持て、学習への意欲が出てきて、努力するようになります。
タブレット端末を活用し、読み書きの負担感が減ることで、家庭でも学校でも学習がしやすくなり、知識の習得が進みます。
社会人になってからも、紙のノートや紙のメモ帳の代わりに、タブレット端末のカメラ機能、複数の入力方法(ローマ字入力、かな50音入力、フリック入力、音声入力、手書き入力)を使ってメモを残したり記録を残すことがビジネスシーンで役に立ちます。
タブレット端末は、1台でも大量にデータを保存して持ち歩くこともできるので、紙のノートやメモ帳より情報を管理しやすく、クラウドなどを使って他のデバイスや他の人とデータを共有するのも簡単です。
子どもの頃から、さまざまな場面でタブレット端末の利用を経験することで、大人になってからも、自分の苦手を補う方法を自ら考えるようになるのです。
みんなと一緒をめざす必要はありません。
お子さんのつまずきを見極めて、タブレット端末を使った、その子のスキルの習得をイメージして、努力が報われるように、学習法や学習環境を整えていきましょう。
子育てに悩まれているお母さんの心の支えになれれば幸いです。
執筆者:中木村 美紀
(発達科学コミュニケーショントレーナー)