学習障害の子の「見通す力」を磨くには「ゲーム作戦」が最強!

 

【記事概要】

学習障害のお子さんが、勉強に取り組まないのは、発達の特性の影響によって、見通す力が未熟なことが原因かもしれません。見通す力は、好きなことから脳を発達させることで磨くことができます。脳が発達すれば見通し力が育ち苦手な勉強にも取り組めるようになります。

1.学習障害の子の見通す力を育てるなら脳の発達から!

 

学習障害のお子さんの勉強について、こんなお悩みを持っている方はいませんか?

・やるべきことに、なかなか取り組まない
・目標をクリアできない

見通す力が弱く、いつも中途半端で投げ出して、最後までやりとげることができないと、ついガミガミと口うるさく言いたくなってしまいますよね。

お子さんが、なかなか勉強に取り組まないのは、発達の特性の影響によって、やりたいのにできないことが原因かもしれません。

学習障害の子どもの脳の特徴は、成長状態が凸凹していることです。

得意なこと、苦手なことの差が大きいのはそのためなのです。

「苦手だな」と思うことは、その脳のエリアの成長が未熟なため苦手意識を感じてしまうのです。

 

脳のエリアが発達していると「得意だ」と人は認識するのです。

 

例えば、運動が得意な子は運動を司る脳のエリアが発達しています。

 

運動が苦手だな、と感じている子は運動を司る脳のエリアの発達が周りの子よりもゆっくりなため「苦手だ」と感じるのです。

ですが、脳を発達させることで苦手意識が減っていき、今まで「苦手だ」と感じていたことにも挑戦できるようになるのです。

 

では、どのように脳を発達させればよいのでしょうか。

それは、楽しい経験を多く積み重ねることなのです。

え?それだけ?と驚かれた方いらっしゃいませんか?

 

なんと、脳を発達させる関わりをママがおウチで実践してあげることで、お子さんの脳はぐんぐん成長させることができるんです!

おウチで過ごす時間は、お子さんの脳を発達させるチャンスなのです!

2.見通す力に必要な4つのステップ

 

見通す力は、なにを、どのように、どの順番で行うか期間に合わせて作業の順番を決めることで、4つのステップを含みます。

・情報を集める
・取捨選択をする
・優先順位をつける
・時間配分をする

これらのどれかがうまくいかないと、見通す力に影響します。

わが家の、学習障害グレーゾーンの特性を持つ中学2年生の息子は、優先順位をつけることが苦手で、なにからやればいいのか分かりません。

そのため、目に入ったことから始めたり、すぐに行動に移せなかったり、好きなことから始めたりしてしまいます。

また、自分の力量以上の実現不可能な計画を立てて、結局計画倒れになることも多々あります。

そこで、見通す力を育てるためにわが家で取り入れたのがゲームなのです。

「えっ!ゲーム?」

と驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんね。

お子さんが夢中になる、ゲームを上手に取り入れて、見通す力を育てる方法について、次項でお伝えします。
 

 

 

3.ゲームが「見通す力」を磨く

 

見通す力を育てるのに私がおススメするのがゲームです。

その中でも、思考のステップを踏まないと勝てないようなゲームが、脳を発達させ見通す力を育てるのにおススメです。

オセロや将棋などは、その典型です。

オセロは、子どもの「先を見通す力」「思考力」「集中力」などを養ってくれます。

将棋も、相手との先の読み合いであり、見通す力が問われるゲームです。

1手先しか読めない人と3手先まで読んでいる人のどちらが強いかは、いうまでもありません。

わが家の息子は、小学生の頃から将棋が好きで、いつもお爺ちゃんに将棋の対戦相手になってもらっています。

お爺ちゃんは将棋の駒の一種である「飛車」と「角」抜きで息子の対戦相手になってくれます。

息子の様子を観察していると、最初は先のことを深く考えず、楽しむだけだったのですが、やっているうちに、だんだん「勝ちたい」「強くなりたい」という欲が出てきて、じっくりと考えるように変化していったのです。

これこそが、脳がぐんぐん成長している状態なのです。

「飛車」と「角」抜きのお爺ちゃんとの勝敗は、最近では4割程度の勝率です。

お子さんの「勝ちたい」「強くなりたい」という気持ちをサポートして、お子さん自身が楽しんで本気で取り組めるゲームを見つけることが大事だとお判りいただけると思います。

そして、息子の気持ちを盛り上げてくれる、この数回に1度は勝てるという勝率もポイントです。

勝てないと分かっている相手には、そもそも勝負に挑もうとしなくなります。

ですが、数回に1度は強い相手にも勝てる!と思えれば、ゲームに勝つために、見通しを立て、手順を自分で考えて次の一手を決断するようになります。

見通しを立て、自分で考えて行動することの練習を積むことで脳の発達に繋がるのです。

好きで取り組めるものなら、楽しみながら、脳を発達させて見通す力を育てることができます。

そして、脳が発達すれば、好きな場面以外の苦手な勉強の場面でも見通す力を発揮することができるようになるのです。

わが家の息子も、このゲーム作戦が功を奏し、いつまでに、なにをしなければいけないのかを考える見通し力がUPし、声かけがあれば、時計やカレンダーを見ながら、やるべきことに取り組めるように成長しています。

ぜひ、ゲーム作戦を試してお子さんの見通す力を伸ばしてあげてくださいね。

 


 

 

子育てに悩まれているお母さんの心の支えになれれば幸いです。

執筆者:中木村 美紀
(発達科学コミュニケーショントレーナー)