ダラダラ中学生ADHDキッズの身辺自立が進む!提案型の声かけで自立を育てる発達支援

 

【記事概要】

声かけしても、ダラダラしている中学生ADHDキッズの姿にイライラしてしまうことありますよね。声をかけても子どもが動かないのは、発達の特性が原因なのです。そんな中学生ADHDキッズがサッと動く提案型の声かけ。自立を育てる発達支援についてお伝えします。

1.中学生ADHDキッズがダラダラして動き出さない原因

・何度言ってもいう事を聞かずダラダラしている
・気持ちを切り替えてやり始めるまでに時間がかかる
・いつも時間通りに行動できない

というお悩みありませんか?

テスト前に「早く勉強しなさい!」と、何度も言っているのにダラダラとしている子どもの姿にイライラしてしまうことってありますよね。

「毎日、毎日、何回同じことを言ったら出来るようになるの!?」

と、お子さんにガミガミ言ってばかりいるという方は、今すぐ対応が必要です。

中学生ADHDキッズは、発達の特性から、今何をするべきなのか、目的が明確化されていない場合が多くあります。

なので「早くしなさい!」と言われて、急がないといけないことは分かっていても、何を急いでやらなければいけないのか具体的に分からないのです。

やるべきことを定めるところからつまずいていることが、ダラダラしてしまう原因なのです。

2.毎朝同じことを言わないと行動しない中学生ADHDキッズ

 

ものごとを完了させるには、見通しをたてて行動をスタートしなければなりません。

そもそも行動を始めることができないことを「初動障害」ということもあります。

わが家には、ADHD(注意欠如・多動症)グレーゾーンの特性を持った、中学2年生の息子がいます。

息子は、発達の特性から見通しを立てて行動することが苦手です。

勉強をスタートするのにも時間がかかり「もうすぐテストでしょう!時間ないよ!」「早く勉強しなさい!」と短時間のうちに何回も同じ声かけを繰り返さないと、別の事をはじめたり、ボーっとしたりしてしまうのです。

毎日同じことをガミガミと言い続けたのですが、その効果は何も得られず、息子の様子は少しも変わりませんでした。

それどころか、本人がやろうと思っていたタイミングで私が声かけをしてしまうと逆効果になることもありました。

ところが、そんな私が息子にある提案型の声かけをするように変えると、なんと”3週間”で変化が現れたのです。

息子に実践した声かけの方法について次項でお伝えします。

 

3.スモールステップの声かけで自立を育てる発達支援

 

私は、息子の様子を観察することにしました。「勉強する時間だよ。」と声かけすると息子は「うーん。分かってる。やるー。」と毎回答えるのです。

様子を見守っていても一向に行動しないので、10分後に同じ声かけをすると、息子もまた同じ返事をします。

息子は、テスト前だから勉強をやらなければならない、ということは分かっているのです。

なのに、なかなかリビングから移動しないのです。

そこで、勉強に取り掛かるまでの行動を細かく分解して、次にどんな行動をしたらよいのかをスモールステップで伝えることにしました。

①「勉強する時間だよ」

②「椅子に座ろう」イスに座ったら

③「ドリルを出そう」ドリルを出したら

④「鉛筆を持とう」鉛筆を持ったら

⑤「1問解いてみよう」

このように、次の行動を起こすために何をすればよいのか、行動を細かく分解して声かけすることで、息子はサッと行動できるようになりました。

「それなら今すぐにできる!」と思えることを、スモールステップで順を追って伝えるようにするのです。

この時のポイントは、行動できたことを肯定する声かけを忘れない事です。

例えば、声かけでイスに座ることができたら「座れたね」と肯定します。

ドリルを出すことができたら「ドリル出せたね」と肯定するのです。

肯定の声かけによって「あ!今できたんだ!」と本人も気づいていない成功体験を記憶に残してあげます。

この小さな成功体験の積み重ねが自信へと繋がります。

息子に、このスモールステップの声かけを継続すると、1週間で「勉強する時間だよ」と言うだけで行動ができるようになりました。

さらに、1週間後には「今〇時だよ」と声かけすると「うん!勉強する時間だね。」と今から何をすべきなのか見通しを立てることもできるようになりました。

脳科学に基づいた子どもたちが動き出す声かけをすれば、お子さんは行動し始めます。
 
ぜひ、試してみてくださいね。



執筆者:中木村 美紀
(発達科学コミュニケーショントレーナー)